良書。『「賢い子」に育てる究極のコツ』
前回のエントリのきっかけ。 こちらの本を読んで触発されました。
『「賢い子」に育てる究極のコツ』瀧靖之
子どもに関わるすべての人に読んで欲しい。
タイトルがイマイチだけど、内容がピカイチでした。
脳医学の見地から認知症を研究している著者が、16万人分の脳のMRI画像を見た結果分かった「賢い子」を育てるためのエッセンスをまとめた本です。「勉強ができる子」ではなく、「賢い子」ってところがミソです。ちゃんと本文でその説明があります。
へぇ!と思ったところ
・単に「成績がよい子」には限界がくる
・「賢い子」とは「ちゃんと好奇心が育っている子」のこと
・幼い頃の「好奇心の有無」で、生涯を通した「脳の健康」も変わってくる
「賢い子」に育てるコツ
→好奇心を育てる。
そのために
☆図鑑をプレゼントする。
→物心つく前から当たり前に図鑑がある環境にするのが良い、3・4歳になると「好き嫌い」を自分で判断するようになるが、その前からあったものは自然に好きになる可能性が高い。
図鑑は学習との親和性が高く、学校に通い始めたとき、図鑑によって得られた「これ知ってる!」が勉強へのハードルを下げてくれる。
☆図鑑とリアルな体験を結ぶ。
☆脳の発達にあった習い事を選ぶ。
→時間とお金の投資効率が良い
3〜5歳は「運動野」の発達のピーク。楽器を始めるのに最適
8〜10歳は言語の発達のピーク。英語を本格的に学ぶのに最適
10歳〜は社会性・コニュニケーション能力を高めるよう、機会を設けることを意識
脳の発達は、「脳の後ろから前」に向かって起こる、そして前から壊れていく。
☆十分な睡眠を取らせる。
→睡眠が足りないと脳は縮む。短睡眠時間は、本人がそう感じていなくても、心身ともに大きなストレスを与える。幼児(1〜2歳)の適正睡眠時間の目安は11〜14時間。
☆朝食を取らせる。できれば低GIなラインナップで。
他にも声かけの仕方や運動をすることの大切さなどが書かれており、教育本というより、育児本という感じでより広く認知され、読まれる本になればいいなと思いました。
ちなみに図書館で44人待ち、いつになるやらと途方に暮れていたらkindle unlimitedの読み放題対象でした(2016年9月末時点)!バンザイ!
そして、本書の中で、
「音楽のいいところは、その好奇心が持続しやすいところです。小さい頃に始めた音楽を、定年退職後も続けている方はたくさんいます。(中略)音楽は、その人の好奇心と人生とを、一生涯通じて豊かに広げてくれます。」
とあり、たとえ途中でやめることになっても、いつか再開して自分で楽しむことがあるかもしれないな、と息子たちにピアノを習わせたいと改めて決意したのでした。